アレルギーに関する情報

(番外)アトピー:現状チェック(あなたの治療は今のままで大丈夫ですか?)

 アトピ―性皮膚炎(以下AD)ではなかなか良くならないと現在の治療をこのまま続けたので良いのだろうかと心配になることもあるかと思われます。そこで、今回は○×クイズを使ってあなたの現在のADの治療に問題がないかどうかチェックしてみましょう。

(1)ADの診断を医師から受けたことがある。
(2)自分が行っている治療、薬の内容を全て理解している。
(3)つけ薬を塗ると症状は(ほとんど)治る。
(4)症状にあわせてつけ薬を変えている。
(5)保湿剤のスキンケアを普段から行っている。
(6)症状が悪くなる原因を自分でわかっている。
(7)アレルギーの検査をしたことがある。
(8)検査[(7)]の内容、結果[意味]を理解している。
(9)一つの病院にずっとかかっている。
(10)医師[(9)]に気軽に質問・相談をすることができる。
 上記の項目にすべて○をつけられた方は ADの治療に関しては全く問題ありません。全項目に○をつけられた方は今後はステロイドの使いすぎ(強さ、量)にだけ注意をしてください。(6)で○をつけられた方は状況によっては(7)(8)は必要ありません。(6)で×をつけられた方は一度はアレルギー検査(7)を行っていただく必要があります。病院にかかられている方の中には(6)×(7)○(8)×のケースが案外多いのではないでしょうか。このような場合にはアレルギー以外のいろいろな悪化因子(ストレス、かきむしりのくせ等)が考えられますので主治医と一緒に原因をつきとめていくことが大事です。

(11)自分の考えに合わないとすぐに病院を替える。
(12)病院以外の治療(民間療法)を行ったことがある。
(13)セカンドオピニオンで複数の病院にかかったことがある。
 ここで○を多くつけられた方は納得のいくまで医師に質問をして、信頼できる皮膚科を早く見つけることが必要です。(11)(12)については、特にAD ではステロイド外用剤での治療を拒否される方や極端に恐れている方に多く見られます。かつてニュースステーションでステロイドが恐い薬として大々的に取り扱われたのがきっかけでこのような方が急激に増えましたが、最近は日本皮膚科学会を中心にステロイド外用剤を中心とした治療がマスコミを通して標準的治療法として広く啓蒙されていますので一時ほどは見られなくなりました。しかし、現在でも健康関連雑誌や商品広告などで高価なアトピー関連商品を販売する目的(⇒脱ステロイド)でステロイドの副作用を誇張して記事にしてあるのを目にします。「何となくステロイドは心配だ」と思われている方はステロイドに関しての正しい情報ならびに患者さん自身が不安に感じている点を直接主治医にたずねてみてください。その時の対応を見て、きちんと納得のいく説明をしてもらえる医師のもとで治療を続けられるのがよいでしょう。また、ADでは必ずアレルギー検査をしてアレルギー対策をしなければ治らないと考え、初診時にいきなりアレルギー検査をしてくださいと言われる方がいますが、実際にアレルギー検査が必要になるのは症状のひどいとき、強い薬でしか症状をコントロールできないとき、因果関係の疑われるアレルゲン(掃除した後に症状が悪くなる場合のホコリ、ダニなど)が存在するときです症状の軽い方はアレルギー検査をすぐに行う必要はありませんが、これまでに検査をしたことがなくてアレルギーが気になる場合には一度は調べてみてもよいでしょう。ただし、アレルギー検査が必ずしも有効でない例が少なからずありますのでご留意ください。例えば、乳児期に行った検査で卵アレルギーが陽性でありながら、検査をした日以降に実際に卵を食べても全く症状が悪くならないケースを日常よく見かけます。このような場合は卵アレルギーとは考えられないにもかかわらず、検査で陽性だったから卵アレルギーがあるものと母親が強く思い込んで延々と卵除去の食事制限を続けていることが多く、無意味なストレスが母子ともにかかり続けています。アレルギー検査の結果だけに目を奪われて、ADの本当の悪化因子を見過ごしてしまうような事態だけは是非とも避けたいものです。
 (13)のセカンドオピニオンはADの経過が長い場合、時には必要かもしれません。ただしセカンドオピニオンで新たに病院にかかる場合には、それまでの治療経過を詳細に意見を求める医師に伝えて、最初からセカンドオピニオンを聞くために来院したことをお伝えください。過去の治療や経過などを伏せて別の医師の診察を受けられますと誤診につながったり、前医での治療を最初からやり直すだけに終わったりしますので患者さんにとっても、医師にとっても時間と労力の無駄になり有益なことは何一つありません。

(14)症状が良くなっていない。
(15)かゆくて眠れないことがしばしばある。
 (14)(15)いずれも○の場合、主治医の指示通りに(つけ薬、飲み薬いずれも)きちんと治療をしていても良くならず、しかも検査をしてもらえない場合には速やかに他の皮膚科を受診しましょう。きちんと指示通り(ステロイドの(強さの)使い分け、1回に塗る量、範囲、1日に塗る回数、塗り続ける期間など)にステロイドを塗っていない場合や、主治医からアレルギー検査の提案があっても患者さん自身の意向で検査を行っていない場合には先ず主治医の指示通りに治療や検査を行なってみてください。塗らない薬は効きませんし、湿しんが悪くなるきっかけをなくさなければ症状は良くなりません。

(16)診察や説明を十分にしてもらえない。
(17)説明に納得できない。
 (16)で○の場合には、医師自身の診療スタイルからくる場合と患者さんの数が多すぎて物理的に一人一人の患者さんの診療時間に制限があってそうならざるをえない場合とがあります。実際に、他の医院でアレルギー検査をいろいろしてもらいながら結果説明や生活指導、今後の方針などを詳しく説明してもらえなかったり、(医師ではなく)看護師にしか症状を診てもらえなかったりしたために当クリニックに説明を求めて来院される患者さんもいらっしゃいます。(17)で○の場合には、患者さん自身の思い込みを一度なくしてから主治医の説明を最後まで聞いてみてください。たとえば、「ずっと同じシャンプーを使っているのでADの悪化因子になっているとは考えられない」と外来でもよく言われますが、実際に長く使っていたシャンプーを替えてADの症状がよくなることはめずらしくありません。いずれにせよ、きちんと治療をしていてもよくならずに患者さんの不満・不安が現状の診察で解消されなければ前述のセカンドオピニオンを他の皮膚科医に求められたほうが良いでしょう。

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