よくある質問集

(第6回)「ステロイドは副作用が怖いので使いたくないのですが」

 皮膚科で使用することの最も多いステロイドは副腎皮質ステロイドホルモンの外用剤です。多くの患者さんが、副腎皮質ステロイドの注射や内服による副作用が外用でも簡単に見られると誤解されています。作用の強いステロイドを広範囲に長期間使い続ける場合を除いて、外用剤による副作用は主に局所だけに見られます。具体的には、毛のう炎などの皮膚局所の感染症、皮膚萎縮、酒さ様皮膚炎(灼熱感と毛細血管の拡張をみとめる)、多毛などがあげられます。皮膚科専門医の診察のもと、指示通りに使用する限りはこれらの副作用のことはあまり心配いりません。皮膚科専門医はステロイド外用剤の作用、副作用を熟知した上で、副作用の出現に注意をしながら症状をおさえるために必要最低限にステロイドを使用します。外用する皮膚の部位、皮膚症状の強さ、年齢などを考慮して、外用するステロイド(の強さ)を決めますが、ステロイドの不適切な使用を続けると、症状がよくならないばかりか、一層悪くなります。
 ステロイドは炎症を抑える薬で、皮膚炎の赤みをとるための薬です。十分に赤みがなくならないうちに治療を止めますと再発することも少なくありません。ただし、よく効くからとだらだらと使い続けることは最も避けなければなりません。つまり、赤みが治まるまではしっかりと塗り続け、症状が十分に良くなってからは使用を中止して経過を見なければなりません。また、ステロイドの治療はあくまで対症療法ですので、ステロイドを十分に使用した後に再発が見られる場合には症状を悪化させる原因を取り除くことを考えなければなりません。
 内科・小児科で一般に行われている喘息治療におけるステロイドの吸入療法、および耳鼻科で一般に行われているアレルギー性鼻炎の治療におけるステロイドの点鼻療法と同じように、ステロイドの皮膚外用療法はアトピー性皮膚炎をはじめとするさまざまな皮膚疾患の治療の中心となっています。

(第7回)同じ病気の治療で病院によって費用が違うのはどうしてですか(老人以外)?

(1)治療薬により費用が異なる。
 同じ病気に対して効果のある薬がいろいろありますが、新しい薬は昔からの薬と比べて価格が非常に高くなっています(例えば、かゆみ止めのアレジオン (20)1錠(1日分)163円に対して、タベジール(1)2錠(1日分)18円となっています[平成22年4月現在])。その他にも前述のかゆみ止めを例にあげますと古い薬は安くて効果もありますが、眠気をきたしやすいという欠点もあります。一方、新しい薬については新しい薬理作用がある以外に、古い薬が1日2~3回服用する必要があるのに対して1回ですむという点と眠気が少ないという点が優れています。安さをとるか、副作用の少なさや便利さをとるかでどの薬にするか決まってきます。
 一般の医療薬を先発品と呼ぶのに対して、先発品が発売されてから一定期間が経過した後、同じ成分の薬が別のメーカーから安い価格で提供されるものを後発品とよびます。後発品は先発品に比べて非常に安い価格で提供されていますが、成分は同じというものの、添加剤などを含めて全く同じものとはいえず、有効性・安全性などに関してのデータが先発品に比べて十分であるとは言えません。つまり、多少効果が劣ったり、安全性に問題があったりしても、少しでも安い薬を望まれる方は後発品を、薬剤費よりも効果や安全性を重視される方は先発品を使用することになります。すべての薬剤に後発品があるわけではありませんが、後発品を希望される方は一度、主治医にご相談の上ご検討ください。
(2)院内処方(病院で薬をだす)か院外処方(病院と別の薬局で薬をだす)かで費用が異なる。
 病院で支払われる費用は薬代や注射、処置などの治療費や検査費用だけでなく、初診料、再診料、処方(せん)料、調剤料などいろいろな費用が加算されて計算されます。後者の形に表れない費用の一部は病院の経営スタイル(特に薬を自院でだすか、調剤薬局でだすか)によって異なりますので、同じ病気で同じ治療を受けられても費用がかわってくることがあります。

(第8回)同じ病院で同じ治療を受けても、診察毎に費用が違うのはどうしてですか?

(1)初診か再診か?
 初診料と再診料が異なっており、初診費用が高くなっています。2回目以降、定期的に受診される場合には再診となりますが、慢性の病気を除いては受診の間隔(一般には1カ月以上)があくと初診になりますので注意が必要です。
(2)処置の内容も同じか?
 治療については出来高払いになっていますので、処置がふえるごとに治療費がかかります。皮膚科では、お薬を塗る機会が多くなりますが、同じ外用処置を行っても薬を塗る範囲、薬の種類(薬代がいりますので)によって費用が異なります。
 初診時や、自分で手が届かない場所、症状がひどいとき、ガーゼを当てる必要があるときなどは病院で外用処置を行いますが、それ以外の場合にはお薬をつける分費用が余分にかかりますので患者さんのご要望によって処方だけですませたり、お薬をつけたりしています。
(3)慢性の病気では月に1回だけ指導料を算定するものがあります。
 処置などを行わなくても、病状説明、生活指導などを定期的に十分におこなう必要がある病気に対して算定されます。主なものに尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)、掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症、類乾癬、扁平苔癬(へんぺいたいせん)、痒疹(ようしん)、じんま疹、帯状疱疹(たいじょうほうしん)、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)などがあげられます。

(第9回)再診で診察を受けても、受けなくても費用が同じなのはどうしてですか?

 原則的に、診察をうけないで薬をもらうことは禁止されています。薬だけの受診については、窓口で病状をお伝えいただくことが診察のかわりになります。つまり、診察を受けての再診料と窓口で病状を聞いての再診料は同じですから費用は変わりません。従って、診察を受けずに薬の処方だけで済ませても、診療費が安くなることはありません。従って、「お薬だけでよい」という方でも時間の許す方は基本的には診察を受けるようにしてください。

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