アトピー便り

アトピー便り68:検査について

乳幼児のアトピー(性皮膚炎)患者さんで卵白で血液検査がわずかに陽性に出ただけで食事制限をダラダラと続けているケースがいまだに見受けられます。仮に陽性であっても程度が軽い場合には食べても問題(関係)がないことが多く、食べれるものはどんどん食べても構わないというのが近年の考え方です。アトピーは血液検査で診断をするわけでもありませんし、アレルギーの血液検査の数値とアトピーの重症度が必ずしも比例するわけではありません。とはいうものの、ステロイドの外用治療を適切に継続して行なっても症状が改善しない場合には悪化因子を見つけるために血液検査やパッチテストが必要となります。また、治療を続けていても一向に良くならないと言われる患者さんではTARC(という血液検査)アトピーの皮疹の重症度を判定することができますので、定期的に検査することで客観的に良くなっているかどうかを見極めることができます。小児のアトピーでは軽症例が多く、軽い湿しんか乾燥肌があるだけなのか、たいていの場合は触診で判別できますが、判別が難しい場合にはTARCを参考にします。言いかえれば、湿しんでは保湿剤だけ外用しても症状は良くなりませんし、ステロイドを適切に外用しなければアトピーの皮疹は軽快しませんので、正しく治療ができているかどうかを判別するのにTARCは大変役に立ちます。
以上をまとめますと、アトピー治療において経過の長い患者さん、重症の方、治療しても良くならないケースでは症状の改善のためには必要に応じて適切な検査を行なわなければなりません。

2018/11/11


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