アレルギーに関する情報

(第7回)治りにくいアトピ―性皮膚炎について(その1:ストレスとの関係)

 アトピ―性皮膚炎(以下AD)は小児の皮膚病で思春期頃までには軽快すると言われていましたが、最近は成人になっても症状が続いたり、成人になってはじめて発症する場合も見られます。一般には、ステロイド外用療法で症状を落ち着かせることができますが、きちんと治療を行なってもよくならない場合、すなわち治りにくい場合には悪化因子の存在を考えなければなりません。悪化因子の除去がADの改善、寛解につながりますので悪化因子を見つけることがADの治療には欠かせません。ADの悪化因子といえば、幼児期の卵や牛乳のアレルギーが、学童期以降ではホコリやダニなどのアレルギーがすぐに思いうかびますので、「アレルギー検査をしてください」とか、「検査ではアレルギーはありませんでした」などと患者さんや患者さんの家族の方から外来でもよく言われることがあります。一般にはアレルギーの強い患者さんがアレルギー対策をしていない場合にはADの症状がひどくなることが多いのですが、逆にADの症状がひどい場合に必ずアレルギーが強いとは限りません特に、掻破[そうは](引っかくこと)はADの主な悪化因子のひとつで、普通は湿しんがあって痒いから掻くのですが、時に痒みがないのに掻いてしまうことがありますこのような場合の掻破は主にストレスによるものとされています。例えば、両親の愛情を独り占めすることのできていた幼児に下の子ができて、今までのように両親に構ってもらえなくなったときに親の注意を引くためにかきむしって湿しんが急激に悪くなることがあります。成人でも、イライラしたり焦ったりすると掻く(情動誘発)、気がつくと掻いている(自動的)、帰宅後や就寝前などに必ずしばらく掻く(定期的)、掻きだすと止まらない(精神的依存)、いつも同じ様に両手でこするように掻く(様式的)等を特徴とする嗜癖的掻破行動[しへきてきそうはこうどう]によってADが悪化する場合がみられますこのような場合には、実際に掻いていることを認識させ、自覚させて、最後に止めさせることが必要です。
 小児のADでは、母親がアレルギーにばかり目がいきすぎたり、泥んこ汚れの子どもの皮膚が気になりすぎたりしますと、母親の食事制限をはじめとする強迫傾向や過度の清潔志向につながり、子どもの心身に影響をおよぼし、ADを難治化させる可能性がありますので悪化因子の除去や治療とともにその点にも留意しなければなりません。


お役立ち情報ファイル

  • アレルギーに関する情報
  • 皮膚科全般に関する情報
  • なるほど!皮膚科豆知識
  • よくある質問集