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(第9回)治りにくいアトピ―性皮膚炎について(その3:感染症との関係)

 アトピ―性皮膚炎(以下AD)患者は皮膚のバリア障害により皮膚の表面から微生物がしばしば感染します。幼児期のとびひ(伝染性膿痂疹)、みずいぼ(伝染性軟属腫)、カポジ水痘様発疹症(単純ヘルペスの重症タイプ)などがその代表例です。その他には、ADの患者の皮膚病変部には黄色ブドウ球菌(以後黄ブ菌)が数多く存在する事が知られていますし、難治性の一部のAD患者では血中カンジダ、マラセチアIgE抗体が上昇しています。また、AD患者の30%に病巣感染(扁桃炎、歯根尖膿瘍など)がみられるとの報告があります。
 一時はやったイソジン超酸性水による治療法はADの悪化因子として黄ブ菌の皮膚感染を考えたものですが、ステロイド剤の外用だけで湿しん病変が軽快するとそれに伴い黄ブ菌が消失しますので、イソジンや超酸性水の皮膚に対する刺激性を考えますと、皮膚の敏感なAD患者ではこれらの治療は一般には控えるべきです。
 病巣感染の治療を行なって、あるいは血中カンジダ、マラセチアのIgE抗体陽性例において腸管内のカンジダや皮膚の表面に常在するマラセチアに対して内服薬による抗真菌療法を行なってADの症状の改善を見る例がありますので、病巣感染合併あるいは、血中カンジダ、またはマラセチア抗体陽性のADにおいて通常の治療で良くならない場合に限っては抗菌療法は一度試してみても良い治療です
 但し、感染症を心配しすぎて過度に予防や治療を行なうことは皮膚のダメージや耐性菌の出現などにつながることもありますので注意が必要です。


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