よくある質問集

(第3回)同じ化粧品を使っているのでかぶれるはずはありませんが !?

 顔にできる湿しんがなかなか治らない時に、女性の場合には化粧品かぶれの可能性があることをお話ししますと「以前から同じ化粧品を使っているのでそれはありえません」とあっさり否定されてしまうことがあります。顔に限らず、湿しんがみられた場合にまず考えることは、皮膚の変化が現れたときよりも数週間くらい前までさかのぼって、以前と変わったことがある(新しいものを使用した)かどうかですところが、思い当たるものがない(新しいものを使用していない)場合にはずっと以前から使っているものを含めて、顔に触れる可能性のあったすべてのもののうちいずれかが原因となっている可能性があります具体的なものとして化粧品、化粧用製品(パフ、ビューラーなど)、染毛剤、シャンプー、リンス、点眼薬、植物、眼鏡フレーム、コンタクトレンズ関連製品、帽子、ヘアスプレー、揮発性物質などがあげられます。
 かぶれにはアレルギー性のものと刺激性のものがあります。アレルギー性のかぶれでは皮膚に原因物質が触れると数日後に湿しんができますが、湿しんは皮膚のどの部分にでも、また原因物質が多くの量でも少しの量でも皮膚に触れれば症状が現われますずっと何年も同じ製品を使っていてアレルギー性のかぶれが突然みられることはほとんどありませんが、もしあるとすれば、同じ製品でも添加物などの一部成分をメーカーが勝手に変更していた場合、あるいは皮膚の状態が悪い時に使い続けたために新たに感作された場合(皮膚のバリア機能により皮膚の内部に原因物質が入ることができなかったのが、皮膚の状態が悪いときにはバリアが壊されてしまいますので、そのようなときに原因物質が皮膚の内部に入り、その時点でアレルギーが成立します)が考えられます。刺激性のかぶれでは原因物質が大量に皮膚に触れたり、長期間皮膚に残ると症状がでますが、皮膚に残らなければ症状はみられません。また、皮膚のバリアが壊れていると刺激を受けやすくなり、皮膚の状態が悪い時には刺激性のかぶれが出やすくなります例えば、すすぎが不十分なときにはふつうの人でもシャンプーやリンスによる刺激性のかぶれがみられますが、十分に洗い流すと症状はみられません。クレンジングは刺激が強く、皮膚に残ると多くの方はかぶれますがきちんと洗い流すとたいていの場合症状はみられません。また、生理前など皮膚が過敏な時にだけ化粧品にかぶれることも女性ではめずらしくありません。
 同じ化粧品を使っていながら途中からかぶれる場合には刺激性のかぶれのことが多く、すすぎが十分でないときあるいはお肌のトラブルで皮膚のバリアが壊れている時などによくみられますが、症状が出たり出なかったりすることが多いので、化粧品のユーザーにとっては余計に原因物質として考えにくいようです。明らかな原因物質が見つからない顔面の湿しんでは、以前から使用していた化粧品、シャンプー、リンス、石けんなどは少なくとも一度は原因物質ではないかと検討してみる必要があります。低刺激のもの、無香料のものなど、他のものに変更していくか、一度パッチテストを行って、実際にかぶれの原因になっていないことを確かめてから使用されるほうが良いでしょうもちろん、かぶれの原因になっていることがわかれば直ちにやめなければなりません。
 その他、同じものを使用しながら症状がでたりでなかったりするかぶれの代表的なものとして金属アレルギーと光接触皮膚炎が挙げられます。金属アレルギーの場合には汗をかいたときにだけ症状がみられ、それ以外のときには症状はほとんど目立ちません。一方、光接触皮膚炎では紫外線が当たったときにだけかぶれを起こしますつまり、接触するだけではかぶれを起こさないものが、汗や紫外線が加わって初めてかぶれを起こすということで原因物質をしばしば見落としてしまいます。ファンデーションやビューラーの使用によって金属アレルギーの症状がみられる場合もありますし、同じファンデーションを使っていながら、ファンデーションが残り少なくなったとき(=コンパクトの底の金属が露出しているとき)にだけかぶれを起こすケースなども金属アレルギーが疑われます。めずらしいものでは、革(金属成分を含むため)のバッグを握った手で顔に触ってかぶれることがあります。光接触皮膚炎の原因物質としては日焼け止めの成分であるパラアミノ安息香酸、桂皮酸誘導体、オキシベンゾンなどが挙げられます。
 顔の湿しんは目立つ場所でもあり、早く治したいものです。薬を塗らないと良くならない場合や症状が繰り返しみられる場合には、原因物質を見つけて直ぐに中止する必要があります。ステロイド剤を顔に長期間塗り続けますと副作用がみられることが多くなりますので、是非とも避けなければなりません。


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