なるほど!皮膚科豆知識

(第3回)内臓と皮膚

 「皮膚は内臓の鏡」といわれるように、皮膚症状以外に内科的な症状がみられ、しかも内科の症状と皮膚症状が相関してみられ、かつ皮膚症状が広範囲(進行性)あるいは左右対称にみられるときには内科疾患からくる皮膚病変を考えなければなりません。
 ところで、外来で「皮膚病の治療をしても良くならないので、内臓が悪いのではありませんか?」とよく聞かれます。そのほとんどは、(1)つけ薬の塗る量、塗る範囲、塗る期間が足りない (2)治療をすれば良くなるが、止めれば悪くなる といったケースです。(1)はいわゆる不適切治療であり、(2)は外部からの原因によりおこる皮膚病変が、原因が取り除かれていないために再発を繰り返しているものです。従って、内臓の病気を疑う前には先ず上記の2項目に当てはまらないかどうかをチェックしておく必要があります。実際に、(1)あるいは (2)があてはまり、外来の診察中に一見して湿しんとわかるものでも、患者さんにとっては「良くならないのは内臓が悪いからではないか」という思い込みのためになかなかご理解を得られないこともあります。
 きちんと治療がなされていながら皮膚症状が本当に良くならない時ならびに特徴的な皮膚症状からおおよそ内科疾患が疑われる場合には必要に応じて検査を行い、内科の病気がないかを調べなければなりません。
 手のひらが赤くなったり、血管腫が顔や躯幹や腕にできたりしますと、肝臓の病気を疑い肝機能の検査を行いますし、じんま疹が続きますと、アレルギーの検査や胃潰瘍、特にピロリ菌の感染がないかどうかを調べます。じんま疹に似た紅斑が消えることなく続く場合には、ウイルス性肝炎、膠原病などを調べていきます。環状紅斑や顔面の紅斑、ならびに冬場に冷水が指に触れた時のレイノー症状(紫色から白色に変わっていく)などが見られれば膠原病を疑います。かゆみが異常に強い時には糖尿病、リンパ腫や肝臓、腎臓、胆のうなどのいろいろな病気を考える必要があります。
「内科で調べてもらったから内臓の心配はないから皮膚の方をみてください」と言われることがありますが、いろいろ検査を行う際にも皮膚の症状に応じて調べる内容が変わってきますので内臓を調べる場合にもあらかじめ皮膚科専門医にご相談の上、適切な検査を受けるようにして下さい。たとえば、膠原病を考えなければならない皮膚症状のときに、肝機能の検査を行って異常がなくても意味がありませんし、胃や肝臓を調べなければならないときにアレルギーの検査をしても同じことが言えます。皮膚病変から内臓の病気を疑う場合には、先ず皮膚科専門医が行える検査を行った上で、その結果をふまえて必要な専門の科の先生を紹介してもらうのが最も適切かと思われます。


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