アトピー便り

アトピー便り86:転医される前に

アトピー性皮膚炎の患者さんで症状が良くならないので病院を転々とされる方がいらっしゃいます。何とか治したいというお気持ちはよくわかりますが、受診のされ方によっては却ってマイナスになることもあります。「後医は名医」という言葉がありますが、後から診察する医者の方がいろいろ情報が多くなり、適切な診断、治療を行なうことができるというものです。ところが、転医される際初診時にそれまでの治療経過や症状の推移がきちんと伝わりませんと誤診につながり、症状の改善は期待できません。転医の際に(過去の治療薬や検査結果などの情報もなく)皮疹を診てもらうだけなら元の医師の再診を受けられる方が効果的です。単に「前の病院で良くならなかったので来ました」とか、「治療しても良くならなかったので検査をしてください」と言って来院される患者さんが少なからずいらっしゃいますが、この点には是非ともご留意ください。
一方で、皮膚科医の立場からアトピー性皮膚炎の患者さんすべての方に初診時に同じように詳しく説明をすることは現実的にはなかなかできません。先ずは患者さんの現状に応じた説明・治療を行ない、再診時に症状を確認して治療を続けたり、変えたりしながら、必要に応じて説明を付け加えていくことになります。重症の患者さんには初診時に検査をしたり、細かく外用剤の塗り方を説明したりしますが、軽症の患者さんには再診時に症状の改善が見られない場合に外用剤の塗り方など詳しく説明していきます。このようにアトピー性皮膚炎の診療では患者さんによって対応が異なり、再診を重ねて長期的に診ていくのが一般的ですので、初診時、再診時を問わず、その時点で気になることをいくつか整理されて優先順位の高いものから診察時にお問い合わせいただくことをお勧めします。

2020/1/30

 


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