アトピー便り

アトピー便り88:ナッツアレルギーは難しい

この数か月でナッツアレルギーの患者さんを二人診る機会がありましたが、今後の診療に活かすべき示唆に富んでいました。
1例目は、ピーナッツを食べた後に蕁麻疹が出ることから検査をしたところピーナッツのIgEが疑陽性(クラス1)で、一緒に調べたリンゴのIgEも疑陽性(クラス1)でしたので、元々花粉症がみられていたこととあわせて花粉-食物アレルギー症候群と診断しました。ピーナッツを控える程度で、その他のナッツアレルギーに関して積極的な検査を行なわずに経過を観ていました。これからいろいろなナッツを食べる機会があれば、その結果を元に必要に応じて検査を行ない整理していけばいいかなと考えていました。ところがその後カシューナッツの入ったカレーを食べて強いアレルギー症状が見られ、基幹病院を受診してカシューナッツのアレルギーが確認されてエピペンを処方されていました。本来ピーナッツのアレルギーコンポーネントAra h 2を調べたり、その他のナッツについても調べておくべきでした。
2例目は、クルミの載ったケーキを食べた直後にじんましん、呼吸困難が現れたとのことで、クルミアレルギーの血液検査を直ちに行ないました。クルミのIgEは疑陽性(クラス1)でしたが、クルミのアレルギーコンポーネントJug r 1が陽性(クラス2)で診断を確定しました。このように最近はピーナッツ、カシューナッツ(Ana o 3)、クルミに関しては血液検査でアレルギーコンポーネントを調べて高い精度でアレルギーを検出することができるようになりました。
今回のナッツアレルギー2症例について、1例目からは状況によってはナッツアレルギーの交差反応を積極的に検査しておくべきということ、2例目からは患者さんからの情報が如何に大事かということ、問診の重要性を再認識しました。

2020/8/4


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