アトピー便り

アトピー便り101:なすすべなし

半年くらい前に顔面の皮疹で受診された患者さんが2回目の受診で来院されました。初診時は他医でステロイド、プロトピック®軟膏、コレクチム®軟膏を外用しておりましたが、肌に合わないとのことで当クリニックのホームページを見てモイゼルト®軟膏を希望されました。結局初診時以降、処方したモイゼルト軟膏を含めて何も外用はしていないとのことで、患者さんのご要望は替わりの内服薬がないかということでした。明らかな皮膚炎が見られることから、外用に替わる内服治療薬はない(処方しない)こと、外用剤の効果を見ながら治療の変更、継続をしていくことをいくつかの外用パターンを示して説明させていただきました。すると、治療(処方)は要らないとのことでしたが、処方はしなくても診察料金はかかる旨を伝えたところ「二度とここには来ません」と言い残して帰られました。そもそもアトピー性皮膚炎として治療をしていましたが、アトピー性皮膚炎の治療には定期的な診察が必要ですし、場合によっては接触皮膚炎なのか、あるいは別の皮膚病かどうかを鑑別する必要があり、そのためには全身の皮疹の観察、詳細な問診、経過観察、さらには検査が必要となります。実際のところ2回の診察でこれらは十分に(ほとんど)できていません。患者さんにとってもこちらにとっても後味の悪い出来事でした。

2023/1/16


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