気まぐれ随想録

後医は名医 or 名医は患者さん次第!?

 先日ある医療情報サイトで「後医は名医」という言葉を目にしましたが、正確に言うと「患者さんが名医を作る」といったところでしょうか。「後医は名医」というのは、後から診察する医者のほうが、前の医者から治療を受けた経過やいろいろな情報がプラスされて治療を行うので病気の経過が良いことを表しています。ところが、後医にかかる時に前医での治療を伝えずに初診と変わらない診察を受けた場合には正しい診断が難しく前医よりも良い結果は期待できません。「後医は名医」になるのは、患者さん自身が後医に前医での診断名、治療内容、検査結果、治療経過を正しく伝えたうえでの話ですが、そうでない場合には「後医はヤブ」か「前医がまし」になってしまいます。「後医は名医」のケースでは、実際にはきちんと前医に再診を受けていないことが多く、再診を受けていれば「前医は名医」となっているケースも多いのではないかと思われます。患者さんにとっては「前医はあわない」というのが正しいところかもしれません。初診で正しい診断と治療ができるのが理想ですが、検査や治療経過をもとに診断を確定させたり、治療を変更したりしていくことも少なからずあります。この治療経過に関する情報が診断や治療結果に大きく影響しますので、適切な情報が患者さんから提供された場合にはそれだけで正しい診断ひいては治癒につながることがあります。医者の力量が名医の指標となるのは当然かと思いますが、患者さんには名医の輩出にときにはご協力いただき、ヤブ医者を作り出すことのないよう大いにご助力いただければと思います。


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