アトピー便り

アトピー便り110:最近アレルギーの診断に至った2例

最近アレルギーの診断に至った小児2例を紹介します。1例目は、乗馬の後だけ目のまわりにじんましんが出るということで血液検査をしたところ、ウマ皮屑陽性、イネ科(マルチアレルゲン)陰性の結果よりウマアレルギーが確定しました。2例目は、リンゴ、モモを食べた後にのどがイガイガするとのことでリンゴ、モモのアレルギーを疑い血液検査をしたところ、リンゴ、モモともに陽性でした。リンゴ、モモによる口腔アレルギー症候群でしたが、花粉-食物アレルギー症候群によるものを疑い、後日追加検査をしたところ、はんのき、しらかんば、ぶたくさ、Gly m 4(豆乳)陽性で診断は確定されました。スギ花粉症は自覚症状もありましたし、検査でも一番高値を示していました。スギ花粉症の時期とはんのき花粉症の時期は被りますのでしばしば見落とされがちです。生活習慣、行動状況からはんのき花粉症からリンゴ、モモのアレルギーが誘発されたものと考えられました。このように2例ともに患者さんからの情報に基づいて検査をして診断に至りました。アレルギーの診断に至るほとんどのケースはこのように患者さんからの正確な情報に基づくもので、やみくもに検査をして有意義なアレルギーがたまたま見つかることは先ずありません。夏から秋にかけてはイネ科、雑草の花粉症が見られる時期ですので、それに伴ってメロン・すいかなどのアレルギー(食べた直後にのどがイガイガする)が見られることもあります。何はともあれ「アレルギー検査をしてください」ではなく、アレルギーが心配になる理由、具体的な症状・経過をお話いただいてその情報をもとに検査をすれば有意義なアレルギーが見つかるかもしれません。

2023/9/1


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