アトピー便り

アトピー便り16:スキンケア(保湿)の重要性

 気温が低くなり空気の乾燥とともにアトピーの悪化する方が目立つようになりました。症状がいったんひどくなりますと治療に時間がかかるようになります。症状の軽いうち、乾燥が目立つ程度のときに早めに保湿によるスキンケアをしっかりと行なって症状の悪化を未然に防ぎましょう。
 乳幼児のアトピーでは食べこぼしの食物が顔の皮膚を通してアレルギーを引き起こすことが多いことがわかってきています。乳幼児においてもスキンケアをしっかり行なうことが症状の重症化やアレルギーの発症を防ぐことにつながります。最近マスコミを賑わせています旧茶のしずく石けんによるアレルギー症状も、皮膚を通して小麦成分によるアレルギーが引き起こされています。スキンケアを行なって皮膚のバリアを保つことでアレルゲンの滲入を防ぎ、皮膚のアレルギーを予防することにつながります。「たかがスキンケア、されどスキンケア」、保湿のスキンケアはご年配の方の皮膚の乾燥を防ぐだけではなく、アトピー性皮膚炎の患者さんにとっても治療の一環として不可欠といえます。

2011/11/23

アトピー便り15:リセットします。

 アトピー便りにつきましてはなかなか患者さんのニーズにお応えできるようなアップトゥーデートなアトピー情報を提供することができず、頻回に更新することができませんでした。過去の内容と重複することも多々あるかとも思いますが、これからは原点に戻って患者さんの立場になってこちらがお伝えてしておきたいことをアトピーに限らず、皮膚のアレルギーを中心に皮膚病に関する情報を繰り返し発信させていただこうと思います。今後ともよろしくお願いします。

 当クリニックはアレルギー科を標榜している関係からアトピー(性皮膚炎)、じんま疹の患者さんが多くを占めますが、初診時の問診表では多くの方が検査を希望されています。これらの皮膚疾患がアレルギーによって起こるものと考えられがちで、アレルギー科イコール検査をするというイメージが患者さんの中では強いためと思われます。
 実際に乳幼児のアトピーでは食物アレルギーの関係することが多く、成人の重症アトピーではたいていの場合ホコリやダニの強いアレルギーが見られます。フルーツを食べた後に口やのどに違和感を覚える症状や、パンやめん類など小麦を食べてから数時間以内に運動をしておこるじんま疹、呼吸困難などの症状はアレルギーによるものです。このようなケースでは当然積極的に検査をして原因をとり除く必要があります。
 乳幼児のアトピーは7~8割が軽症例で、年齢があがるにつれて多くは症状も改善します。仮に食物アレルギーがあったとしても重症例を除いてはあまり食事制限の必要はありません。じんま疹についてもアレルギーの関与する例は全体の数%にすぎず、ほとんどはアレルギーとは関係ありません。
 保険診療におけるアレルギー検査(ここでは血液検査)について触れておきます。症状や病気があって医師が必要と認めた検査は保険が適用されて、一般には実際の費用の3割(後期高齢者は1割)が患者さんの負担となります(松山市は6歳までは無料)。ただし、保険が適用される場合でも1回に行なう検査の数には上限がありますのでご注意ください。よくテレビや雑誌を見て心配だからアレルギー検査をしてくれと言われることがありますが、この場合症状が見られずこちらが必要と認めない場合には保険を適用することはできません。保険を使わずに全額費用をご負担される場合には数に制限なく検査をすることができますが、一緒に保険診療でお薬をもらったり、他の治療を同時に受けたりすることはできませんのでご注意ください。アレルギー検査の費用の詳細につきましては、言づてに別途掲載しておきますのでご参照ください。
 小児のアトピーではアレルギー検査を目的に来院されるケースがとても多いのですが、当クリニックでは初診時に検査をすることはあまりありません。その理由としては、アトピーはアレルギーだけが原因ではなく、きちんと治療をしてスキンケア、生活習慣を整えて良くなる場合には仮にアレルギーがあってもあまり問題にはならないからです。先ずきちんとお薬を塗っているかどうか、スキンケアができているかどうかを確認します。
 乳幼児の重症もしくは難治性のアトピーでは食物アレルギーが関与することが多く、当クリニックでも積極的に検査を行なっています。主な原因としては卵、次いで牛乳が挙げられますが、これらの原因を調べるのに血液検査(もしくはプリックテスト)を行います。ところが、血液検査にしろ、プリックテストにしろ、絶対的なものではなく、あくまで参考材料にすぎないことを知っておいてください。稀ではありますが、陽性であっても食べて大丈夫な場合もありますし、陰性であっても食べると症状の出る場合もあります。また、検査の数値が症状の程度にいつも比例するわけではありません。従って、血液検査を頻回に行う意味はあまりありません。食物アレルギーを確定する検査としては、実際に食物をやめたり、食べたりしたらどうなるかをみる、除去試験、負荷試験 [松山赤十字病院小児科など実施する医療機関は限られています]を行います。当クリニックでも必要時には紹介させていただいております。尚、食物アレルギーの関与するアトピーと純粋な食物アレルギーは異なりますのでご注意ください。
 血液検査にしろ、当クリニックで乳児に行うプリックテストにしろ、子どもさんには痛くてストレスになるということを忘れないでください。必要な時には積極的に検査を行うべきですが、6歳以下で無料だからとか、アレルギーかどうか気になるといった親御さんの都合だけで子どもさんにとっては苦痛なだけの検査を受けさせるのは控えたいものです。
 当クリニックでは原則的には保険診療を中心に行なっております。従ってこちらが必要と認めた場合にだけ検査を行なっています。問診表でアレルギー検査を希望されている方についても同様です。尚、先に述べたとおり全額患者さん費用負担で検査を行うことはできますので、どうしても気になるので検査をしたいという方はご遠慮なくお申し出ください。費用につきましては前述のとおり言づてに別途掲載しておきますのでご参照ください。

2011/9/10

アトピー便り14:アトピー?あせも?

 最近よく小さなお子さんのお母さんからあせもがひどくて診てくださいと言われますが、あせもではなくアトピー性皮膚炎そのものの悪化であることがよくあります。あせもは汗をシャワーで流したり、水をしぼった濡れタオルでやさしく拭いたりすることでスキンケアを行うことが大事です。かゆみが強い場合や明らかな湿しんになっている場合を除いては基本的にはあまりステロイド外用剤を使いません。一方、アトピー性皮膚炎も汗によって症状が悪化することが特徴ではありますが、軽いあせもとは違ってステロイド外用剤での治療が欠かせません。アトピーが悪化していながら、あせもと考えて治療が遅れてしまいますとますますひどくなってしまいます。元々乾燥肌の傾向がある子どもさんにつきましてはあせもかなと思ったら皮膚科専門医を受診してアトピーかあせもかどうか診てもらうことをお勧めします。

2011/6/26

アトピー便り13:アトピー勉強会について

 いまだに乾燥注意報が発令される日々が続いています。ところが日中は汗ばんだり、強い日差しが照りつけ始めましたので、症状の落ちついていたアトピーの方は急激な悪化にご注意ください。シャワーや水をしぼったタオルでやさしく拭くなど、汗に対するスキンケアや肌にやさしい日焼け止めの使用などを心がけてください。  
  先だってアトピー勉強会を開催しました。1名の参加でしたが、直接いろいろお話をお聞きすることが出来て大変勉強になりました。普段患者さんや親御さんが疑問や不安に思っていることと、こちらが診察の時にお話する内容とに微妙に差があるのではないかと感じることもあります。通常の外来診療では十分に時間がとれないこともあり、こちらが伝えたいことを一方的にお話するだけで終わってしまうことが多くなってしまいます。アトピー勉強会を通して患者さんや親御さんのお話を伺いながら、医師患者間の相互理解のもとでより良いアトピー診療を行うために今後も続けていこうと考えています。一回だけの勉強会では十分でない場合には何度でもご参加いただいても構いません。また、参加者同士の情報交換の場としてもご活用いただければと考えていますので多数の方にご参加いただければと思います。詳細は当ホームページ内のアトピー勉強会のご案内をご参照ください。

2011/4/29

アトピー便り12:アトピー患者さんの近況について(2011年春)

 冬場の乾燥により症状が悪化していたため治療をきちんと続けていた患者さんの中で、つけ薬がきれてもそのままで様子をみていたために急激に悪化してしまったケースや、汗をかく機会が少しずつ増えてきて、かゆみによる掻きこわしのために悪化する患者さんが増えてきました。一度症状がひどくなりますと、強い治療をしっかりと続けなければなりませんので早めの治療ならびにスキンケアの継続を心がけてください。
 ステロイド恐怖症、ステロイド忌避の方が依然ごくわずかながらも見られますが、適切な治療を行えばステロイドの使用量を少なくしたり、ひいては中止もしくは中断したりすることもできます。ステロイドのつけ薬は正しく使えば恐くありません。主治医の皮膚科専門医の説明をよく聞いて、適切な治療を継続するようにしましょう。

2011/4/5

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