アトピー便り

アトピー便り19:外来便り(2012年春)

 汗に伴う皮膚のトラブルが目立つようになっています。あせもは幼児だけでなく、日光によって大人でも見られることがあります。アトピー性皮膚炎も汗によってひどくなりますので、季節の変わり目のこの時期は急激に悪化するケースも増えています。汗に対するスキンケア、早めの治療を心がけてください。

2012/5/2

アトピー便り18:アトピー性皮膚炎治療研究会&日本皮膚科心身医学会より

 外来を休診させていただき出席したアトピー性皮膚炎治療研究会からはや1週間が過ぎました。今回も非常に多くのことが勉強になりましたが、特にステロイドの使用量については目からウロコが落ちる思いでした。重症の場合には治療開始時のステロイド外用剤の必要量は思いのほか大量であること、減量する時期を急ぎすぎないことが大事だと再認識しました。そのほかにアトピー教室の紹介も印象的で、とても参考になりました。当クリニックでも過去に小児のアトピーのお母さんを対象に何回か開催しておりますが、もっと頻回に開催するには勉強会の対象を重症の成人アトピーの方にも広げたり、開催日時を土日に変更したりするなど、再検討をしなければならないと思いました。
 翌日開催された日本皮膚科心身医学会でも内容はアトピーが中心で、興味深い実際の症例のプレゼンテーションが数多く予定されていたのですが、帰りの飛行機の関係で出席できなかったことが大変残念でした。主に教育講演に出席しましたが、その中では講師指導のもとでのコーチングの体験実習が印象的でした。

2012/2/11

アトピー便り17:患者さんも情報開示を

 寒くなって空気の乾燥が目立つようになりアトピーの患者さんの受診が増えてきました。そうした中で受診間隔の空いた患者さんを診察する時にはいくつか考えることがあります。(1)今回の症状が前回の受診の後も続いていた (2)ずっと調子が良かって治療をしていなかったが、最近になって悪くなった (3)受診していない間に別の皮膚科や小児科にかかっていた 大ざっぱにはこの三通りですが、それぞれで対応が変わります。(1)の場合には治療が不十分なので外用剤の量を増やしたり、頻回の受診を促したりしてしっかりと治療を行なうことを考えます。(2)の場合には今まで通りの治療を仕切り直しで行ないます。一番問題になるのが(3)のケースです。他医をメインにしていて、たまたまそこが混んでいたり、お休みだったりして受診いただく場合もありますし、その逆のこともあります。前者では診察室に入るや否や診察も始まらないうちに他医でもらっている薬を出して欲しいと言われることもあります。その他、何か所も皮膚科や小児科を回ってみたものの良くならなかったり、満足が得られなかったりして病院めぐりを繰り返している方もいらっしゃいます。
 これらの状況を直ちに見極めることは非常に難しく、問診でいずれかを確認していくしかありません。(1)(2)に関してはいろいろお話を伺うなかでだいたいのところはわかりますが、それでも患者さんとの信頼関係がきちんと築けていないとちゃんとお答えいただけずにはっきりしない場合もあります。(3)の場合には正直なところこちらとしても残念な思いをすることもありますが、よく考えれば他にもある皮膚科の中からわざわざ来ていただけることはありがたいことですし、何よりもまず患者さんのアトピーの症状を良くすることを一番に考えなければなりません。きちんとお伝えいただければ次回の他医の受診までのお薬を必要最低限お出しすることはできますし、前医で納得できなかった点、満足できなかった点をお伝えいただければセカンドオピニオンの役目を果たすこともできます。ただし、診察をきちんと受けずに事情説明もなく薬を指定されたり、一方的に治療や検査を希望されたりする場合には患者さんが満足のいくようには対応できない場合も出てくるかと思われます。
 患者さんに対して医療機関の情報開示の重要性がよく言われますが、患者さんが医師に対しても(経過やご要望などの)情報開示をしていただければより充実したアトピー診療につながるかと思われます。これはすべての皮膚科専門医に当てはまると思いますのでご理解いただければと思います。

2011/12/18

アトピー便り16:スキンケア(保湿)の重要性

 気温が低くなり空気の乾燥とともにアトピーの悪化する方が目立つようになりました。症状がいったんひどくなりますと治療に時間がかかるようになります。症状の軽いうち、乾燥が目立つ程度のときに早めに保湿によるスキンケアをしっかりと行なって症状の悪化を未然に防ぎましょう。
 乳幼児のアトピーでは食べこぼしの食物が顔の皮膚を通してアレルギーを引き起こすことが多いことがわかってきています。乳幼児においてもスキンケアをしっかり行なうことが症状の重症化やアレルギーの発症を防ぐことにつながります。最近マスコミを賑わせています旧茶のしずく石けんによるアレルギー症状も、皮膚を通して小麦成分によるアレルギーが引き起こされています。スキンケアを行なって皮膚のバリアを保つことでアレルゲンの滲入を防ぎ、皮膚のアレルギーを予防することにつながります。「たかがスキンケア、されどスキンケア」、保湿のスキンケアはご年配の方の皮膚の乾燥を防ぐだけではなく、アトピー性皮膚炎の患者さんにとっても治療の一環として不可欠といえます。

2011/11/23

アトピー便り15:リセットします。

 アトピー便りにつきましてはなかなか患者さんのニーズにお応えできるようなアップトゥーデートなアトピー情報を提供することができず、頻回に更新することができませんでした。過去の内容と重複することも多々あるかとも思いますが、これからは原点に戻って患者さんの立場になってこちらがお伝えてしておきたいことをアトピーに限らず、皮膚のアレルギーを中心に皮膚病に関する情報を繰り返し発信させていただこうと思います。今後ともよろしくお願いします。

 当クリニックはアレルギー科を標榜している関係からアトピー(性皮膚炎)、じんま疹の患者さんが多くを占めますが、初診時の問診表では多くの方が検査を希望されています。これらの皮膚疾患がアレルギーによって起こるものと考えられがちで、アレルギー科イコール検査をするというイメージが患者さんの中では強いためと思われます。
 実際に乳幼児のアトピーでは食物アレルギーの関係することが多く、成人の重症アトピーではたいていの場合ホコリやダニの強いアレルギーが見られます。フルーツを食べた後に口やのどに違和感を覚える症状や、パンやめん類など小麦を食べてから数時間以内に運動をしておこるじんま疹、呼吸困難などの症状はアレルギーによるものです。このようなケースでは当然積極的に検査をして原因をとり除く必要があります。
 乳幼児のアトピーは7~8割が軽症例で、年齢があがるにつれて多くは症状も改善します。仮に食物アレルギーがあったとしても重症例を除いてはあまり食事制限の必要はありません。じんま疹についてもアレルギーの関与する例は全体の数%にすぎず、ほとんどはアレルギーとは関係ありません。
 保険診療におけるアレルギー検査(ここでは血液検査)について触れておきます。症状や病気があって医師が必要と認めた検査は保険が適用されて、一般には実際の費用の3割(後期高齢者は1割)が患者さんの負担となります(松山市は6歳までは無料)。ただし、保険が適用される場合でも1回に行なう検査の数には上限がありますのでご注意ください。よくテレビや雑誌を見て心配だからアレルギー検査をしてくれと言われることがありますが、この場合症状が見られずこちらが必要と認めない場合には保険を適用することはできません。保険を使わずに全額費用をご負担される場合には数に制限なく検査をすることができますが、一緒に保険診療でお薬をもらったり、他の治療を同時に受けたりすることはできませんのでご注意ください。アレルギー検査の費用の詳細につきましては、言づてに別途掲載しておきますのでご参照ください。
 小児のアトピーではアレルギー検査を目的に来院されるケースがとても多いのですが、当クリニックでは初診時に検査をすることはあまりありません。その理由としては、アトピーはアレルギーだけが原因ではなく、きちんと治療をしてスキンケア、生活習慣を整えて良くなる場合には仮にアレルギーがあってもあまり問題にはならないからです。先ずきちんとお薬を塗っているかどうか、スキンケアができているかどうかを確認します。
 乳幼児の重症もしくは難治性のアトピーでは食物アレルギーが関与することが多く、当クリニックでも積極的に検査を行なっています。主な原因としては卵、次いで牛乳が挙げられますが、これらの原因を調べるのに血液検査(もしくはプリックテスト)を行います。ところが、血液検査にしろ、プリックテストにしろ、絶対的なものではなく、あくまで参考材料にすぎないことを知っておいてください。稀ではありますが、陽性であっても食べて大丈夫な場合もありますし、陰性であっても食べると症状の出る場合もあります。また、検査の数値が症状の程度にいつも比例するわけではありません。従って、血液検査を頻回に行う意味はあまりありません。食物アレルギーを確定する検査としては、実際に食物をやめたり、食べたりしたらどうなるかをみる、除去試験、負荷試験 [松山赤十字病院小児科など実施する医療機関は限られています]を行います。当クリニックでも必要時には紹介させていただいております。尚、食物アレルギーの関与するアトピーと純粋な食物アレルギーは異なりますのでご注意ください。
 血液検査にしろ、当クリニックで乳児に行うプリックテストにしろ、子どもさんには痛くてストレスになるということを忘れないでください。必要な時には積極的に検査を行うべきですが、6歳以下で無料だからとか、アレルギーかどうか気になるといった親御さんの都合だけで子どもさんにとっては苦痛なだけの検査を受けさせるのは控えたいものです。
 当クリニックでは原則的には保険診療を中心に行なっております。従ってこちらが必要と認めた場合にだけ検査を行なっています。問診表でアレルギー検査を希望されている方についても同様です。尚、先に述べたとおり全額患者さん費用負担で検査を行うことはできますので、どうしても気になるので検査をしたいという方はご遠慮なくお申し出ください。費用につきましては前述のとおり言づてに別途掲載しておきますのでご参照ください。

2011/9/10

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