アトピー便り

アトピー便り45:外来便り(2015夏)

気温の低下とともに皮膚のトラブルも少なくなり、外来を受診される患者さんも落ち着いてきました。夏休み期間中は例年通り、あせも、手足口病やとびひなどこの時期特有の疾患が多く見られました。
アトピー性皮膚炎を含めてこの時期に症状の悪化する患者さんは汗の影響を受けていることが多く、金属アレルギーのある方は特に注意が必要です。毎年夏にだけ湿しんが出て、治療を繰り返している患者さんがいらっしゃいますが、そのうちの多くは金属アレルギーが疑われます。アクセサリーやベルトのバックル、ジーンズのボタンなどで赤くなったり、かゆくなったりしたことのある方はよりその可能性が高くなります。診断を確定するにはパッチテストが必要となりますが、数日間お風呂に入れませんので通常は冬場に行ないます。夏場に湿しんを繰り返す方で原因を特定されたい場合には冬場に金属アレルギーのパッチテストを行なうと原因が見つかるかもしれません。
以前にもお伝えしていますが、アレルギー検査につきましては症状の確認できる方で必要な検査は保険診療(3割負担)で行なっています。患者さんの自己申告だけで症状が確認できない場合および病気の診断、治療上アレルギー検査が必要でない場合には自費(全額患者さん負担)で検査を行なうことができます。

2015/9/1

アトピー便り44:アトピー情報

NHKEテレで7月13日月曜日、14日火曜日午後8時30分~45分「きょうの健康」で二夜にわたり「しっかり治そうアトピー性皮膚炎」のタイトルで東京逓信病院副院長江藤隆史先生がご出演されます。ご高名な先生で、個人的にも、おそらく多くの皮膚科専門医にとっても学会、講演会、論文、書籍などを通して多大な影響を受けている先生です。アトピー性皮膚炎の患者さん、ならびにご家族の方でお時間のある方はご視聴(あるいは録画)されることをお勧めします。

2015/7/7

アトピー便り43:アレルギー検査の実際

当クリニックではアレルギー科を標榜していることもあって、アレルギー検査(血液検査)希望の患者さんが数多く受診されます。アトピー性皮膚炎の重症例や長期にわたるアトピー性皮膚炎で一度も検査をしたことのない方、食直後にじんましんを繰り返す方、その他問診からアレルギーが疑われる方には積極的に必要な検査を行なっています。
一方で、当クリニックでは保険診療(費用3割自己負担)を行なっていますので、症状がその時点で見られない場合や問診からアレルギーが関与する可能性が低いと考えられる場合には原則的には行なっていません。例えばじんましんが出た場合食物アレルギーを心配して来院される方が多くいらっしゃいますが、特定の食べ物を食べた直後に必ず症状が出るのでなければ検査は行ないません。テレビの医学情報(バラエティー)番組であるタレントがアレルギー検査でいろいろ引っかかったのを見て自分も気になると来院される方もいらっしゃいます。もちろん、その時点で症状がなければ、また疑いがなければ保険診療では検査はしません。
アレルギー検査を単に行ないたい方は保険診療ではなく、全額自己負担(自由診療)であれば調べたいものを調べたいだけ検査をすることができます。セットメニューであれば36個の検査項目(項目は決まっており変更はできません)を13個の検査費用で調べることができます。アレルギー検査の対応の仕方、自由診療での料金は各医療機関で異なりますので、お問い合わせの上受診されることをお勧めします。

2015/6/25

アトピー便り42:外来通信2015.6.

前回の投稿からはや一年が経とうとしています。良いネタがないかなと思っているうちにあっという間に時は経ってしまいました。今後もアトピー便りではアトピーを中心に皮膚病ならびにクリニックと関連のある内容について気軽に情報を発信していければと思っています。
先だって日本アレルギー学会ならびに日本皮膚科学会に出席してきましたが、その前後の土曜日には非常に多くの患者さんにご来院いただき本当にありがとうございました。当日はいろいろご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。平日ならびにその後の土曜日は平常通りに戻っていますので宜しくお願いします。

2015/6/9

アトピー便り41:乾燥?湿しん?

 アトピー性皮膚炎の治療に関しては確実に一昔前とは考え方、対応の仕方が変わってきています。外用剤の使い方、特にステロイドの使い方が変わってきています。ステロイド外用剤の副作用を考慮して、以前は症状にあわせて必要最低限(実際は不十分)に外用剤を使用するReactive療法が主流でしたが、薬を止めた途端に悪くなったり、いつまでたっても良くならなかったりするということで、最近は良い状態を保ち続けるために外用剤を塗り続けて、漸減していくProactive療法が推奨されています。当クリニックでもついこの間まではReactive療法中心に診療を行っておりましたが、なかなか良くならない患者さん、重症の患者さんを中心にProactive療法を行う機会が増えてきています。アトピー性皮膚炎の多くの患者さんは症状が軽く、治療の内容、有無にかかわらず良くなっていくことが多いのですが、一部の患者さんでは適切な治療を行わないとなかなか良くなってくれません。
 そこで、特にProactive療法を行う上で大事なことは症状を正しく見極めることです。外来でよく「皮膚が乾燥しているのですが、保湿剤では良くなりません」と言われることがありますが、実際には湿しんがすでに見られていることが多く、ステロイド外用剤を使用する必要があります。多くの患者さんでは乾燥症状だけの部分と湿しんの部分が混ざり合っており、外用剤を使い分けする必要があります。患者さん自身で適宜正しく塗り分けすることは難しいと思われますので、お近くの皮膚科専門医を受診して外用剤の具体的な使い方を相談されることをお勧めします。

 *休眠状態の当コーナーでしたが、今後も不定期に随時更新していきます。よろしくお願いします。

2014/6/26


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