アトピー便り112:アレルギーの救急対応について

寒暖差が激しく、汗をかいたり、皮膚が乾燥したり、そのため一時落ち着いていたアトピー性皮膚炎の患者さんの皮疹の急激な悪化がちらほら見られるようになりました。重症化予防のため早めの治療、スキンケアの継続を心がけてください。
ある日の夕方5時頃、受付にくるみを食べた直後に口のまわりが赤くなって、咳き込んでいるので子どもを診てもらえないかと親御さんから電話で問い合わせがありました。喘息様症状と思われ、重症化する可能性のあるくるみアレルギーが疑われましたので救急対応のできる病院の受診を勧めました。すると、すでにお薬は別の病院で抗ヒスタミン薬をもらっていて内服したとのこと、薬はどのくらいで効果が出るのか、それほどひどくないのにどうして診てもらえないのか等強い口調で言われました。喘息様症状については皮膚科では対応しかねることをお伝えしてどうにか納得していただきました。主治医に一度診てもらっていながら、(おそらく連絡がとれなかったとはいえ)診察していない皮膚科医がどうして電話越しに患者さんから責めたてられないといけないのだろうかとモヤモヤした気持ちになりましたが、後から考えると親御さんからしたら相当ご心配、ご不安だったのだろうと思われます。その後は分かりませんが、適切に対処され、アレルギーの診断がきちんとなされていることを願ってやみません。

2023/11/1

古豪復活の狼煙

今年の春の高校野球四国大会に松山商業が出場し、明徳義塾に1点差で惜敗したのを受けて夏の甲子園大会出場を期待していました。三沢高校との延長再試合、桑田選手清原選手のPL学園との名勝負、水口選手の大会最多安打が印象に残る準優勝、奇跡のバックホームの熊本工業戦など数々の好試合が記憶に残っています。気まぐれ随想録の復活にあわせてこのタイトルを掲載するつもりでした。そうこうするうちに夏になり、第3シードで迎えた愛媛県大会では初戦敗退と残念な結果に終わり掲載する機会を逃してしまいました。時は流れて秋の県大会で松山商業が優勝しました。これから秋の四国大会があるので、甲子園への道のりはまだまだ険しいですが、本当に古豪復活の狼煙を上げてもらいたいものです。お隣の県の高松商業は一足早く古豪復活を果たし、我がジャイアンツにもドラフト1位で浅野選手が入団しており活躍が期待されています。愛媛FCのJ3優勝、J2復帰と共に心から願っています。

2023/10/3

アトピー便り111:医師のコミュ力

少し前の話ですが、半年ぶりに重症のアトピー性皮膚炎受診された患者さんが再診されました。初診時は1週間分の外用剤を処方して再診時の皮疹の状況で治療を変更する予定でした。今回の皮疹も中等症以上の症状でコントロールは不良でした。元々他の皮膚科を受診されてはいましたが、皮疹の状態と処方量を考えて、治療が足りない旨を一方的にお話していました。しかしどう考えてもその時の皮疹は、当クリニックの半年前の1回分の処方量だけでは有りえないのでお話をよく伺ったところ主治医が別にいて予約がとれないのでこちらに来たとのことでした。それを伺って、それ以上の説明は止めて次に主治医にかかるまでの少量のみ処方しました。確認はしていませんが、初診時も同じような感じで受診されていたのかもしれません。その後再診はもちろんありません。このようなケースは日常茶飯事ですが、これを機会に主治医を変えたい、セカンドオピニオンを求めたいといった患者さんにおかれましては診察時にその旨お伝えください。改めてお話、ご説明させていただきます。
首まわりにあせもをこじらせたような紅斑で受診された患者さんに弱いステロイドの外用剤を処方しようとしましたが、小さいころにステロイド外用剤を使っていてその蓄積で肘の前に色素沈着が残っているのでステロイドを使いたくないとのことでした。幼少期にアトピー性皮膚炎があったものと推測されますが、ステロイド外用剤の不適切使用による典型的なステロイド忌避のケースでした。一方的にステロイド以外の薬を強く希望されましたので、条件反射的に現在の皮疹に対してはステロイド以外には治療薬はないとお答えしてしまいました。その上で色素沈着がステロイドによって起こったというのは誤解である可能性が高いこと、ステロイドを最初に使ってその後の状況でステロイド以外の薬に変更したりする旨を説明しました。結局ステロイドを使うのであれば、治療はしなくていいとのことで、受診自体をキャンセルしました。後から振り返れば、あせもの症状だけであれば何もしなくても症状が軽快する可能性もありますし、あせものよりで感染を起こしかけている場合にはステロイドの外用で悪化する可能性もあり、抗生物質の外用剤でひとまず様子をみるという選択肢もあったのかもしれません。
二例とも医師側の対応如何によっては違った診療結果になっていたかもしれません。当方のコミュニケーション力、咄嗟の判断能力、冷静さの不足を痛感させられた出来事でした。

2023/10/2

平日の予約受付をご利用ください。

本日は多くの患者さんにご来院いただきました。初診の患者さんを含めていつも定期的に来院されている患者さんにおかれましても待ち時間が長くなってしまい申し訳ございませんでした。先週と来週の土曜日が休診のため今週の土曜日に患者さんが集中されたものと考えています。土曜日はこのように患者さんが非常に混み合うことがたまにありますので、ご容赦ください。尚、土曜日しか時間のとれない患者さんで待ち時間が長いとお困りの再診患者さんは、(平日は通常待ち時間はあまりありませんが)時間予約をいただければ確実に待ち時間がほとんどなく済みますのでご遠慮なく受付にお申し出ください。電話予約も前日まで受け付けていますのでご利用ください。尚、現時点では初診患者さんの予約診療は行なっておりませんのでご了承ください。

2023/9/30

アトピー便り110:最近アレルギーの診断に至った2例

最近アレルギーの診断に至った小児2例を紹介します。1例目は、乗馬の後だけ目のまわりにじんましんが出るということで血液検査をしたところ、ウマ皮屑陽性、イネ科(マルチアレルゲン)陰性の結果よりウマアレルギーが確定しました。2例目は、リンゴ、モモを食べた後にのどがイガイガするとのことでリンゴ、モモのアレルギーを疑い血液検査をしたところ、リンゴ、モモともに陽性でした。リンゴ、モモによる口腔アレルギー症候群でしたが、花粉-食物アレルギー症候群によるものを疑い、後日追加検査をしたところ、はんのき、しらかんば、ぶたくさ、Gly m 4(豆乳)陽性で診断は確定されました。スギ花粉症は自覚症状もありましたし、検査でも一番高値を示していました。スギ花粉症の時期とはんのき花粉症の時期は被りますのでしばしば見落とされがちです。生活習慣、行動状況からはんのき花粉症からリンゴ、モモのアレルギーが誘発されたものと考えられました。このように2例ともに患者さんからの情報に基づいて検査をして診断に至りました。アレルギーの診断に至るほとんどのケースはこのように患者さんからの正確な情報に基づくもので、やみくもに検査をして有意義なアレルギーがたまたま見つかることは先ずありません。夏から秋にかけてはイネ科、雑草の花粉症が見られる時期ですので、それに伴ってメロン・すいかなどのアレルギー(食べた直後にのどがイガイガする)が見られることもあります。何はともあれ「アレルギー検査をしてください」ではなく、アレルギーが心配になる理由、具体的な症状・経過をお話いただいてその情報をもとに検査をすれば有意義なアレルギーが見つかるかもしれません。

2023/9/1


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