アトピー便り

アトピー便り80:恒例ですが、水いぼについて

この時期になると水いぼの子どもの受診が増えてきますが、取るか取らないかいつも問題になります。取らなくても時間が経てば水いぼに対する免疫ができて必ず治りますが、治るまでには数が増えたり、大きくなったりして、周りの子どもにもうつしてしまいます。治療はピンセットでつまみ取りますが、当然痛いので子どもにとっては堪りません。そこで痛み止めのペンレステープ®を1時間貼ってから取ると痛みがなくなって子どもの負担はかなり軽くなります。尚、治療は1回で終わることはほとんどなく、多くは何回も治療を繰り返します。
自然に治るまでに半年かかるか、1年かかるか、もっとかかるかは個人差がありますし、プール禁止かどうかは幼稚園、保育園、スイミングスクールなど施設によって対応も異なります。水いぼの治療については以前から皮膚科でも小児科でも意見の分かれるところで対応は病院ごとで違います。水いぼの治療においては受診される病院にあらかじめ対応を問い合わせておくのがよいと思います。
当クリニックでは診察時に上記の内容を説明をして相談の上で治療方針を決めています。ただし、ペンレステープ貼付での治療を行なうのは、土曜日以外、診療終了時間より2時間前までに受診される方に限定させていただいておりますのでご了承ください。

2019/7/1

 

 

アトピー便り79:どっちがいいのか?

当クリニックでは問診票に「予約制と受付順のいずれを希望されますか?」という項目を入れていますが、最近初診で受診される患者さんでは予約制を希望される方が多くなってきています。美容皮膚科を標榜しているところを中心に皮膚科では予約診療を行なっているクリニックが多くなってきていますので、その流れを反映しているのかもしれません。当クリニックは土曜日と繁忙期を除いてはのんびりと診察していることが多いので、これまでは受付順で診察を行なっていますし、実際に長く通院していただいている患者さんでも受付順であるからこそ時間の空いたときに来ていただいている方も多いのではないかと思います。
患者さんが多いときには予約の時間を守ることはできませんし、患者さんが少なくても新患の患者さんで時間がかかるときには時間が押してしまうこともあります。とは言うものの、予約制を希望される新患の患者さんにも引き続き受診していただきたいですし、長く通院していただいている患者さんにももちろん引き続き来ていただきたいですし、どうしたらいいのか悩ましいところです。

2019/6/25

アトピー便り78:言うことが違う!?突っ込んでください!

先だって市販の外用剤によるかぶれが疑われる患者さんに強力なステロイド外用剤を処方していたところ数日後に再診されて、「つけ薬を塗って却って悪くなりました。1回しか処方された薬は外用していません」とおっしゃいました。かぶれでは通常数日経ってから症状が現れますので、受診される前までかぶれの原因の薬を塗っていた場合には治療を開始してもその直後に症状が遅れて拡がることもあります。そのため、とっさに「つけ薬は勝手に止めてはいけません。数日くらいは塗り続けてください」と言ってしまいました。その後で、かぶれは通常数日後に症状が強く出るので処方した薬のせいで悪くなったのではないこと、処方した薬を塗っていないところが良くならずに周りに拡がっているように見えている可能性が高いことをお伝えしました。
後で冷静に考えてみますと、通常は初診時には「症状が良くならなかったり、悪くなったりする時には治療を止めてすぐに診せてください」とお話していますので、1回塗って症状が拡がってしまいますと止めてしまうのも無理はありません。結局は当方の説明不足で、「(強いかぶれを念頭に置く場合には)治療を開始してからも数日間は症状が拡がる可能性がありますので、数日間は特に広めにしっかりと塗ってください」と説明を加えておくべきでした。このように説明が不十分ですと、初診時と再診時に真逆のことをお話してしまうことになり、言うことが違うと患者さんから不信感を抱かれるようになってしまいます。
アトピー性皮膚炎では経過も治療歴も長くなり、受診時ごとにいろいろお話をしますので、同じ話の繰り返しになることが多いのですが、上述のお話と同じようにたまに真逆のことをお話してしまうことがあるかもしれません。真逆のことをお話している場合には、状況が異なっていたり、合併症が見られたり、治療の副作用が現れたりするなど、必ず理由があります。ご遠慮なく、「前に違うことを言われました」と突っ込んでください。患者さんの疑問や不安を解くことにもなりますし、患者さんとの相互理解を深めるきっかけにもなるかと思います。尚、強い突っ込みは条件反射で強く返してしまうことがありますので、出来ればお手柔らかにお願いします。

2019/5/9

 

 

アトピー便り77:検査しませんか?

普段は患者さんの方から「検査してもらえませんか?」と言われることが多いのですが、反対にこちらから「検査しませんか?」と患者さんにお話することもあります。アトピー性皮膚炎の患者さんでは、経過が長いけど一度も検査をしたことのない方、きちんと治療をしているけど症状の改善があまり見られない方、初診時でも症状がかなりひどい方が当てはまります。その他には、湿しんが長く続いていて、特定の経過をくりかえしているためかぶれ(接触皮膚炎)が強く疑われる場合に、根治目的の原因検索のために「パッチテストをしませんか?」とお話することがありますし、花粉症もしくは食物アレルギーを心配されて受診された患者さんで原因がいくつかあって特定できない場合や、問診から花粉-食物アレルギー症候群の可能性が高い場合には「血液検査をして調べてみませんか?」とお伺いすることもあります。
尚、「アレルギー検査をしてください」と外来で最も多く言われるのは(食物アレルギーと関係のない)じんましんの患者さんからですが、アレルギー性のじんましんはじんましん全体の数%にすぎないこと、陽性に出たアレルゲンはアレルギー性鼻炎の原因やアトピー性皮膚炎の悪化因子であっても、じんましんの原因となることは非常にまれであることからじんましんの患者さんに「検査しませんか?」とお話することは通常はありません。症状や経過から食物アレルギーが疑われる場合のほか、食物依存性運動誘発アナフィラキシーやラテックスアレルギーが疑われるじんましんの患者さんにはこちらから「検査しませんか?」とお話しています。
小児に血液検査を行なう場合には採血時の痛みや恐怖心のために躊躇される親御さんもいらっしゃいますし、パッチテストでは三日間入浴できないこと、二日後、三日後に受診していただかないといけないため、その面倒さからなかなか実施には至りません。また、検査代が高額ではないかと心配されて遠慮されるケースもあります。
乳幼児のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーで検査が必要と思われるケースの多くではすでに小児科で検査を受けていることが多いので、そのデータを参照させていただいています。小児では喫緊に検査が必要と思われる場合を除いては2,3歳を過ぎてくらいから血液検査を行なうようにしています。パッチテストに関しては患者さんのスケジュールをお伺いして実施可能なケースに限り行なっています。検査代については保険診療であれば3割のご負担までに収まりますので、極端に高くなることは通常はありません。検査を行なう前に遠慮なくご質問いただければ具体的にお支払いしていただく料金をお伝えしますので、料金を確認してから検査を止められても全く問題ありません。「検査しませんか?」と主治医に聞かれた場合には、必要があって保険診療で行ないますので是非とも前向きにご検討いただければと思います。

2019/4/11

アトピー便り76:アトピー治療に近道&王道なし

アトピー性皮膚炎の患者さんは全体的には軽症の方が多いものの、通常症状の経過は長くなります。同じ皮膚科を変わらず受診される方、転医を繰り返される方、自己判断で治療を中断して再度元の皮膚科を受診される方など、患者さんの受診スタンスもいろいろです。
定期的に通院されている患者さんでも、重症の方ではなかなか十分に症状を抑えきれないケースもありますし、比較的症状の軽い方でも受診間隔の空いている場合や不定期に受診されている場合には外用剤などの治療が十分にできていないことが多く、あまり症状が良くなっていないケースもめずらしくありません。
転医を繰り返される方の多くは楽にすぐに良くなる治療がないかと皮膚科を替えられることが多いのですが、ダイエットと同じで近道はありません。治療経過や検査データなど情報量が多くなることから通常は「後医は名医」と言われますが、何の情報提供もなく転医されますと誤診にもつながりますのでご注意ください。初診時にいきなり「原因は何ですか?」とか、「すぐに治してください」とか言われることがよくありますが、治療を重ねて、検査をしたり、経過を観たり、その都度お話を伺ったりして初めて対応できることですので、強く求められますと「わかりません」とか「ずっと診てもらっている先生の方が情報量も多く、病状を良くお分かりなので、引き続き診ていただいた方がいいかもしれません」と即答してしまうこともあります。一方、こちらの診立てでいろいろ説明をさせていただいた後に「前の先生はこう言っていた」と言われることも少なくありません。そちらの内容の方が正しいと思われる場合は素直に受け入れさせていただいておりますが、判断をしかねる場合、そう思われない場合にも(強く言われますと)先と同じようにお答えしてしまうこともあります。
また、初診時にいきなり「前の病院のお薬を同じだけ(もっと)ください」と求められることがあります。次回以降は前医を受診する予定で、何らかの事情で今回だけ受診できなかった場合にはつなぎとして少な目の量をご要望に沿った形で処方することはありますが、経過も病状もよくわからない状況で求められるままに前医と同じ内容の処方をすることは通常ありません。強く求められますと同様に「前医に引き続き処方してもらってください」とお答えしてしまいます。待ち時間が長い、なかなか予約できない皮膚科を受診されている患者さんに多く見られますので、そのお気持ちも良く分かりますが、ご了解ください。何とか時間を作って引き続き前医を受診されるか、新しい皮膚科でこれまでの経過をすべてお伝えしていただいて新たに治療を始めるか、いずれかをお選びください。
中断後の受診患者さんは一度良くなってから悪くなったのか、ずっと変わらず悪いのか、悪くなり続けているのか、途中他の皮膚科で治療を受けていたのか、状況によって治療内容がガラッと変わります。正しく経過、状況が伝わらないときちんと治療できませんので、受診時には必ず途中経過をお伝えください。
患者さんによって症状の程度、経過、受診スタンスなど様々ですが、それらに関係なくアトピー性皮膚炎の治療の目標は症状を軽くして、皮膚を良い状態に保つことです。アトピー性皮膚炎では症状の軽い患者さんでも保湿などのスキンケアの継続は必要ですし、症状の強い方ではステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を正しく使用していくことが大事です。難治性の患者さんでは外用療法と異なる治療を行なうこともありますし、詳細な問診、検査などで悪化因子を整理して除いて行くことが必要となることもあります。また、症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すことも多いですし、別の皮膚病が現れることもありますし、治療の副作用が出てくることもあります。アトピー性皮膚炎の治療はこれらをすべて踏まえたうえで行われますので、テーラーメイド医療が必要とされています。

2019/4/1

 


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